チェルノブイリへの旅 【②チェルノブイリ博物館の概要編】 CHERNOBYL TOUR
知識と心構えを持つために,ツアー前日に国立チェルノブイリ博物館へ。
http://chornobylmuseum.kiev.ua/ja/mainpage-2/
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今回は,知識として得た情報は省略して,概要を記し,知識編は次回。
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入館料はたったの100円程度。オプションで,音声ガイドのイヤホンを借り,撮影許可をつけても1000円いかない。福島原発事故以来,日本人訪問者が増えたことで日本語ガイドも追加されたらしい。急いで追加したせいか(?),ガイドは噛み噛みだが,ときどき気持ちが入り込みすぎているときに,ふっと軽くしてくれて冷静になれるので,いいことかも。
入口ホールは特別展示会場であり,常にテーマを変えて展示。現在は福島の原発関連。
チェルノブイリの事故から学んでいないことを怒るわけでも,同じ苦しみを抱えていることへの同情を示すわけでもないような,落ち着いた展示。
正面の象徴的な階段を上がると,そんなに広くはないスペースに,ぎっしりと,それはもうぎっしりと展示物がある。
最初に目に飛び込んでくるのは,
この,爆発時間で止めてある時計。
そこで時がとまってしまったような,なにも進歩していないことを訴えるかのような。
そして, ⇓ のような展示が,テーマごとに多く並ぶ。
ショーケースごとにかなり丁寧な解説を聞くことができるため,なかなか先に進まない。
このような,当時の写真もたくさん展示してある。
このような,一目で放射能被害の恐ろしさを実感できるものもある。
解説をじっくりと聞きながら進んでいくと,3時間では足りない。
当初,1時間ちょっとくらいで出るつもりが,"気づけば"閉館時間に近づき,急かされたくらい。
今回の一番の感想は,
2年前にインドネシア・アチェの津波博物館を訪れたときと同じようなこと。
http://museumtsunami.blogspot.jp/
津波博物館でも,「普段の集いの場,遊ぶ場となってほしい。」とおっしゃっていたし,今回のチェルノブイリ博物館も「デート場所となってほしい」という想いが込められているという。
”遊びのない”,勉強すべき場としての博物館ではなくて,
”遊びの部分をもたせながら”,気づけば学びの場になっているという博物館。
あまりにも強く訴えかけ過ぎられていたら,感情ばかりが働いて,冷静な記憶が残らなかったかもしれないし,自分なりに受け止めてじっくりと考察することができなかったかもしれない。
フィクション映画であれば,感情体験だけが残ったとしても問題ないけれども,事実を知るだけではなくて,考えてもらうためには,少しばかりの余裕を持たせて,他人ごとではなく,”自分なりに考える”ことを支えることが,大切なのかなーって。
もしくは,勉強しに来てください!と訴えられると,その場の知識(ある意味,教科書的な知識) になってしまうけれども,日常的な生活の延長線上で訪れることで,知ったことや気づいたことが,スーッと自然に自分の生活の中に入り込みやすいのかなーって。
自分なりに考えてほしい・風化させたくない・当事者意識を持ってほしい…,そんな強い想いを実現するための,”遊び”の部分を含む控えめな仕掛けは,いろんなことに通じる気がする。